Uber Eatsや出前館など、フードデリバリーサービスが人気を集めています。その人気と比例するように店内飲食でのサービス(イートイン)を提供せず、デリバリー専用で料理を提供するフードデリバリー専門店も増えています。このページではフードデリバリー専門店の始め方と注意点をまとめ、リスクを極力抑えて成功するための秘訣をご紹介したいと思います。
フードデリバリー専門店とは
フードデリバリー専門店は、一般的な飲食店と異なり、店内での料理や飲み物の提供は行わず、Uber Eatsや出前館といったフードデリバリーサービスを介してのみ利用できる飲食業態を指します。
フードデリバリー専門店としての出店メリット
一般の飲食点ではなくフードデリバリー専門店として出店する最大の魅力は、なんといっても出店や運営のコストを極端に減らせることです。
例えば、一般的な飲食店と備品について比較してみるとその差は歴然です。
備品・サービス | 一般的な店舗 | フードデリバリー |
---|---|---|
調理器具 | 大人数用に本格的なものが必要 | 注文が入った時だけなので最小限 |
食洗機 | 客数が多い場合は必要 | 食器がないので不要 |
看板 | 集客のために凝ったものが必要 | 配達員が分かれば良いので基本不要 |
内装 | 食事の世界観に合った内装が必要 | 来客がないので不要 |
机や椅子 | 快適に食事をするために必要 | 店内飲食はないので不要 |
レジ | 様々な支払い方法に対応したものが必要 | タブレットで代用 |
現金 | 売上の保管やお釣り用に必要 | ネット上で決済されるので不要 |
フロアスタッフ | 注文や配膳などのために必要 | 店内飲食はないので不要 |
このように、飲食店の出店コストで課題となる「調理器具」「店舗看板(外装)」「内装」が大幅に抑えられることができるのです。
必ずしも本格的な調理器具は必要がない
調理器具についても、フードデリバリー専門店であればそこまで本格的な器具は必要ないかもしれません。
特に開始直後はそこまで注文が入らず、入る注文もUber Eatsや出前館などでは1~4人程度と少量です。
またエリアによっては配達員の数が限られるなどの事情から、同じタイミングで大量の注文は入りにくいからです。
そのためマンションやアパート、雑居ビルの一室で営業している店舗も多く存在します。
店舗外装も関係ない
飲食店は訪れた際に入りたくなるような外観も重要です。しかしフードデリバリー専門店の場合は目立ってしまうと逆に店内飲食を希望する一般のお客さんが来店してしまうため、逆に目立たない方が良いぐらいです。
一定の注文が増えてきたら、閉店した飲食店の居抜き物件に転居するのも良いでしょう。その際も外装や内装は関係なく、残置設備が充実しているか、使い勝手は良いか、などがチェックするポイントになるでしょう。特に立地が悪かったり、築年数が経過している飲食店の物件は格安で借りることができることが多いので狙い目です。
フードデリバリー専門店出店のデメリット
一方でフードデリバリー専門店のデメリットも存在します。それは日々競合店が増えていっているため、地域によっては競争が激しいことです。同じジャンルで出店がないエリアでは順調に注文が入りますが、競合が増えると選ばれる確率も当然、下がっていきます。また配達員がその時間帯に付近にいないと、注文が全く入らなくなります。都市部では比較的多くの配達員が注文待ち(Uber地蔵とも呼ばれています)で待機していますが、少し離れた郊外では配達員の奪い合いになっているケースもあるので注意が必要です。
フードデリバリー専門店を成功させるコツ
では実際にフードデリバリーサービスを成功させるには、どの点に注意したら良いでしょうか?
1.掲載する写真はプロに依頼する
フードデリバリーサービスにメイン画像やメニューの画像を掲載することが必要ですが、ここが全てといっても過言ではないぐらい重要になってきます。自分のiPhoneで撮影した画像や使い回しでは良い反応は得られません。
店舗の外観・内装に注ぎ込む費用と比べたら、プロに発注するぐらい安いものです。プロがライティングばっちりで一眼カメラで撮影した画像は目を見張るものがあります。
また、メイン画像についてもデザイナーに発注し、店舗の専門性や料理の品質の高さが伝わってくるものにしましょう。
こうした依頼は、ココナラなどのクラウドワークスのサービスを利用するのが良いでしょう。
2.専門性を謳う
お客さんの立場でフードデリバリーサービスを利用する際、どのようにアプリ上で検索を行うでしょうか?
いきなり店舗名を入力する人は居ないでしょう。
ジャンルや、最初に表示されている近隣の店や人気の店から選ぶのではないでしょうか。
その上で自分の好みにあった料理や美味しそうな料理の画像、配達時間や価格などで検討していくと思います。
特に「今、◯◯が食べたい」というジャンルは非常に強烈なニーズです。そしてフードデリバリーサービスの利点は、店舗の距離に関わらず店舗を選べること。そのため「どうせフードデリバリーで注文するなら、美味しい料理を」と思うのは当然のこと。であれば “専門店” に注文したくなる心理を押さえることが注文率を高める上で非常に重要になってきます。
そのため提供する料理を敢えて絞り、「パスタ専門店」「カレー専門店」など専門店として出店する方が、注文は獲得しやすくなるでしょう。
3.容器にこだわる
ビジネスで長期的に成功する秘訣は、リピーターの獲得です。何度も繰り返し利用してもらえるお客さんは、集客コストもかからず、指名で注文がいただけるため、積み重ねていくことで売上が安定していきます。
フードデリバリー専門店では直接会って接客もできませんし、綺麗な食器に盛り付けて振る舞うこともできません。
一方で配送時間という調理完了から実際のお客さんが召し上がるまでの時間が30分から1時間程度発生することも注意すべき点です。
そのため、提供用の容器は安易にコストだけで選ばず、お客さんにとってメリットがあるものを選ぶようにしましょう。
例えば麺類であれば麺と具が分かれて入れることができ、電子レンジで温め直すことが可能なものが良いでしょう。
また、捨てやすい物も便利です。SDGs・脱プラが叫ばれる中、容器もこうした気遣いが重要です。
4.ゴーストレストランを検討する
ゴーストレストランという言葉を聞いたことはありますでしょうか?それはフードデリバリー専門店で多く見られる、一つの場所で複数の屋号を掲げて営業している店舗のことを指します。
先述の通り、お客さんはジャンル指定で探していることが多いことから、ただの中華料理店よりも、「ラーメン専門店」「チャーハン専門店」「餃子専門店」の方が、注文が入りやすいです。そこで調理を行う場所は同じですが、複数の屋号でフードデリバリーサービスにジャンルごとで出店し、より多くの注文を集めよう・目立たせよう、というものです。
ゴーストレストランについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
より安価に始めるならシェアキッチンを利用しよう
このようにフードデリバリー専門店はコストを抑えて始められ、いくつもの看板でビジネスができる非常に魅力的な業態だと言えます。
しかしマンションや居抜き物件とはいえ、家賃や敷金・礼金の負担は厳しい、という方もいらっしゃることでしょう。
料理の腕には自信があるのに、初期費用(イニシャル費用)がどうしても用意できない…。
そんな方は、シェアキッチンというサービスを利用してフードデリバリー専門店を初めてみてはいかがでしょうか?
シェアキッチンは、その名の通りキッチン=厨房を日時を指定して利用できるサービスのことです。
国内ではまだサービスも少なく、知名度も低いシェアサービスのひとつですが、これを利用することで初期費用をほとんどかけずにフードデリバリー専門店を始めることができます。
シェアキッチンについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
名古屋のシェアキッチンなら「GHOST BENTO」
名古屋市緑区にある「GHOST BENTO」は、画期的なロッカーシステムを利用した非対面のシェアキッチンサービスです。
お客さんは店舗端末かスマホから注文を行い、持ち帰りの予約を入れることができます。
入った注文に対してテイクアウト専用で料理を提供します。
またフードデリバリーサービスも連携することができます。
お店としては1つの厨房を時間帯や曜日によって利用・営業することから、ゴーストレストランと似た業態ではありますが、同じ時間帯に専門性を謳うメニューを多数展開するわけではなく、時間や曜日で異なるのが最大の相違点になります。
「子供を学校に送り出した昼間だけ、趣味の料理を提供したい」
「独立を目指してこだわった料理をまずは販売してみたい」
「SNSで反響のあった料理を実際に味わってもらいたい」
本格的な飲食店の開業は難しくても、テイクアウト専門店かつ時間帯で利用できるシェアキッチンであれば、そんな夢を実現することができます。
この最先端のシェアキッチンサービスはなんと1時間550円(税込)から利用可能!
もちろん厨房は充実の設備が整っていますので本格的な調理が可能です。
接客が苦手、接客までは手が回らない、完全に料理だけで勝負してみたい、SNSのフォロワーさんに会わずに料理を提供したい、など、シェアキッチン初心者におすすめの店舗となっています。
名古屋でシェアキッチンの利用を検討されている方はぜひ一度、ご検討ください。
また、この一連のシステムの提供も行なっています。システム・パッケージの利用は、飲食店向け非接触運営のサポートシステム『eBENTO』として提供されていますので、フランチャイズや既存店舗の業態転換などを検討されているビジネスオーナー様は、ぜひそちらもご覧ください。