“シェアキッチン”という言葉をご存知ですか?実は今、飲食業界で密かにブームとなっているサービスなのです。今回は”ゴーストキッチン”と合わせて、ご紹介します。

シェアキッチンとは?

シェアキッチン

「シェアキッチン」とは、その言葉の通り「キッチン(厨房)」を「シェア(共有)」する、今流行りのシェアリングサービスのひとつです。

具体的には、シェアキッチンのサービスを提供する企業が、調理に必要な調理機器や機材を一通り用意している場所(=キッチン)を、時間や日単位で利用できるもの。

プロが利用する本格的な調理器具が使えるとあって、今注目を集めています。
多くはサイト上で申込を行い、料金を支払うことで誰でも利用することができます。

まだ登場して間もない新しいサービス業態であり、そのためそれぞれが「シェアキッチン」を名乗っていてもサービス実態は様々です。
ここでは5つのタイプに分類して解説していきます。

1.単独店舗タイプ

キッチン・厨房・フロアを一定の日・時間で占有し、実際にお客さんに来店して営業も出来るタイプです。

芸能人のたむらけんじさんが運営する大阪の「COROCORO」も、そんなシェアキッチンのひとつ。
「食べるクラファン」と称して、お店を出したい方に場所を提供しています。
希望者はサイトから申込をすることで、タムケンが選んだこだわりの調理器具と空間でゲストやお客さんに料理を振る舞うことができます。

参考)COROCORO (外部サイト)

東京の「8 share kitchen」は、地域の活性化を目的に、店舗を日替わりで利用できるシェアキッチン。
例えば、「毎週水曜日は○○さんのパン屋さん」「隔週木曜日はお弁当屋さん」といった形で出店できます。
2022年3月現在、東京都内に5店舗展開しています。

参考)8 share kitchen – 株式会社タウンキッチン(外部サイト)

2.複数人共有タイプ

一方でキッチンやフロア、機材を同時に複数人で利用するタイプも存在します。
このタイプでは、一つのお店・場所に複数のお店が同時に営業している状態になります。
お客さんは同じ店に来るだけで毎回異なる料理人=お店を楽しめることからリピート需要が期待でき、集客をある程度担保できるのが大きなメリットです。

参考)東京銀座のシェアキッチン – 株式会社favy(外部サイト)

3.調理設備共有タイプ

上記2タイプとは異なり、その場所での店舗としての営業は基本的に行わず、調理設備と場所を提供することに特化したタイプです。
このタイプの主な用途としてはインスタの撮影用、試作メニューの研究・作成、他の場所で販売するための下準備などとなります。
サービス提供業者によっては、パーティー利用が可能であったり、その場でフードデリバリーなどでお客さんへ提供可能な契約プランを用意しているケースもあります。キッチンカーやイベントでの販売の準備用に利用しても良いでしょう。

参考)東京農村キッチン – 一般社団法人M.U.R.A.(外部サイト)

参考)クラウドイーツ – 有限会社オーディーエー(外部サイト)

4.レンタルスペースタイプ

時間単位で場所や部屋を借りられるレンタルスペース。目的は様々ですが、中には高価な厨房機器を備えたキッチンメインのレンタルスペース、「レンタルキッチン」もあります。
こちらは個人が友人・仲間と一緒にパーティーをしたり、インスタの写真撮影などに利用する際には最適です。
一方で店舗など営業として利用することは原則、禁じられていることが多いようです。

参考)レンタルキッチン – インスタベース(外部サイト)

5.間借りタイプ

通常は店舗として営業しているが、営業時間外に「間借り」して、厨房をはじめ店舗設備を利用して別の料理人・店主が別の店として営業するタイプです。
例えば、居酒屋やバーなど夜間しか営業しないお店が、日中ランチ専門店が別のお店として営業するようなケースです。
“ゴーストキッチン” “ゴーストレストラン”とも呼ばれ、「看板の出ているお店とは別の料理が出てくる」といったことから、実態が見えない=ゴースト、と表現されているようです。

参考)ゴーストレストラン – スペースマーケット(外部サイト)

 

シェアキッチンの利用用途

このように大変魅力的なシェアキッチンのサービスですが、どのような人や用途に向いているのでしょうか。

1.週末起業に

「自分の料理が世の中に認められるか確かめたい」「インスタのフォロワーさんに料理を食べてもらいたい」
趣味で始めた料理をもっと多くの人に味わってもらいたいと思う方も多いかと思います。
しかしいきなり独立してお店を出すことは現実的ではありません。
そこで「週末だけ」「子供が学校に行っている昼間だけ」、自分のお店を持つことができるのが、シェアキッチン。
本格的な独立の足掛かりに利用される方も多いようです。

2.フードデリバリー専門店に

コロナによる外出制限・飲食店への制限も相まって都心部を中心にUberEatsや出前館などのフードデリバリーサービスが活況を盛しています。
また、もともと「料理は好きだけど、接客まではしたくない/苦手だ」という方には、フードデリバリー専門の飲食店はぴったりの業態でしょう。
こうしたフードデリバリー専門店では、一般的な料理よりも専門店の方が評判が良いようです。
なぜなら利用者は「せっかく自宅へ届けてもらうのであれば、近くにはない専門店の美味しい料理を頼みたい」と思うものだからです。
逆に言うと、尖った・ニッチな料理でもフードデリバリー向けであれば販売のチャンスがあるということ。
そんな方にも昼間だけ・夜間だけなど時間帯で利用できるシェアキッチンのサービスは向いています。

3.キッチンカーやイベントなどの仕込みに

狭いキッチンカーや持ち込む機材が限られるイベントブースでの調理には、仕込み作業が欠かせません。
しかし限られた資金で運営していることが多いキッチンカーやイベント販売では、大量の食材の仕込みを効率よく行える場所を自前で確保していることはほぼないと思います。
そのような方にシェアキッチンはピッタリです。設備の整った広いスペースで仕込みを行えば、大変効率的で作業が進むことでしょう。

4.店舗改装中の営業に

一方で店舗を既に持っている方にも利用する機会があります。例えば、店舗の改装中は厨房も使えないので休業せざるを得ないことが多いのですが、シェアキッチンのサービスを利用すれば、改装期間中も営業を行うことができます。
また、改装以外でも今後の支店の出店に備えて、トライアルでシェアキッチンを利用して出店することで、その地域のお客さんに支持されるかどうかを判断することもできるでしょう。

シェアキッチンを利用するメリット

サービス内容は様々ですが、共通して言えるメリットは以下の3点です。

1.本格的な機材が揃っている

シェアキッチンを利用するメリットとしては、何より「本格的な機材」が、低料金で利用できることでしょう。
例えばガスレンジひとつとっても、本格レストランが導入しているものは火力が段違いで使い勝手も家庭用とは全く異なりますが、これだけで20万円以上します。
高機能なオーブンレンジ、電気圧力鍋、大型の寸胴鍋など家庭では手軽に購入することができない機材が一通り揃っています。

2.コストが安い

こうした本格的な機材や、調理する場所の家賃などを含め、飲食店の開業には調理機材だけで800~900万円近い費用がかかります。店舗の内装もこだわれば、2,000万円近い金額になることもあるそうです。
しかしシェアキッチンであればこうした費用を全て負担することなく、色々な人と設備と場所をシェアすることで安価に利用できるのが大きなメリットです。

3.限られた時間だけで使える

「誰かに自分の作った料理を振る舞いたい」と思っても、費用などの事情でお店は開くことまではなかなかできないでしょう。
シェアキッチンであれば、一日単位や時間単位で利用することができるので、「一日限定のお店」「ランチだけのお店」「週に1回だけのお店」といったように自分の空いた時間だけお店を出すことができます。

シェアキッチンのデメリット

一方でシェアキッチンにもデメリットは存在します。

1.予約が取れないことがある

シェアキッチンは基本的にサイトから申込をして利用しますので、立地によっては人気で思った日に利用できないことがあるでしょう。
また、実際にお店として営業を行う場合には事前審査がある為、それに通過しないと利用できません。

2.営業日数が多いとコスト高

もともと限られた時間で利用することを目的にしているため、「昼夜問わず毎日8時間営業」などとなると、利用料金が割高に感じると思います。
一方でそこまで繁盛する成功を収めたのであれば、完全に独立してお店を出しても十分採算は取れると思います。

3.利用者同士のトラブル

シェアキッチンに限らずシェアリングサービス全般にいえることですが、ひとつのもの・場所をシェアすることは、その物事に対する考え方も人それぞれ。そのため使い方や後片付けなどでトラブルになることは、少なからずあります。サービス提供者が管理をしっかり行っており、場合によっては仲裁に入ってもらえるサービスを選ぶことが重要でしょう。

シェアキッチンで営業する際の確認事項

シェアキッチンの一部では、実際にお店として一般のお客さんに料理を提供することができます。
料理を提供できる条件は、

  • 食品衛生責任者の資格取得(調理師または栄養士も可)
  • 営業許可が取得されていること

となっています。

料理の提供にあたっては食品衛生法を守るのは当たり前ですが、令和3年6月からは全ての飲食業者がHACCP(ハサップ)に基づいた食品衛生管理を守ることが義務付けられました。

参考)HACCPに沿った衛生管理の制度化 – 厚生労働省(外部サイト)

シェアキッチンを利用する際は、サービス会社が提供するHACCPのチェックリストを確認し、適切な衛生管理に努めるようにしましょう。

GHOST BENTOのご案内

このように料理好きには大変便利なサービスといえる「シェアキッチン」。
最後に「シェアキッチン」「無人販売」「お弁当」を組み合わせたシェアキッチン・GHOST BENTOを紹介させてください。

名古屋市緑区にあるお持ち帰り専門店「GHOST BENTO」は、お弁当をロッカーから受け取るユニークな仕組みになっています。
また注文もスマホか店舗のタブレットから行うので、完全に人と会わずにお弁当を受け取れる最先端の持ち帰り専門店です。

そしてこのちょっと変わったお店は、実は「シェアキッチン」でもあり、中のお店は日替わりで変わるのです。
Uber Eatsや出前館などのフードデリバリーサービスにも対応していて、まさに時代の最先端のシェアキッチンといえるでしょう。

この最先端のシェアキッチンサービスはなんと1時間550円(税込)から利用可能!
もちろん厨房は充実の設備が整っていますので本格的な調理が可能です。

接客が苦手、接客までは手が回らない、完全に料理だけで勝負してみたい、SNSのフォロワーさんに会わずに料理を提供したい、など、シェアキッチン初心者におすすめの店舗となっています。

名古屋でシェアキッチンの利用を検討されている方はぜひ一度、ご検討ください。

シェアキッチン GHOST BENTOのサイトはこちら

また、この一連のシステムの提供も行なっています。システム・パッケージの利用は、飲食店向け非接触運営のサポートシステム『eBENTO』として提供されていますので、フランチャイズや既存店舗の業態転換などを検討されているビジネスオーナー様は、ぜひそちらもご覧ください。

飲食向け非接触運営システム eBENTOのサイトはこちら

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